府中の芝2500mで争われたG2競走。ハンデ戦で7.5キロの上下差があった。芝は連続6週間開催の最終週で(次開催も引き続き府中)、前の週までのBコースからCコース使用に替わっていた。
レースを引っ張ったのは、予想通り17番枠から出たメイショウカドマツ。スイスイと気持ち良く走り、後ろを離して逃げる形になった。3ハロン通過は36秒5で、1000mは60秒4だった。
3コーナーから後ろを引きつけ、直線に入って2000mを2分00秒5で通過する。そこからは伸び脚比べ、底力比べが展開された。そして、最後でハンデ57キロのヒットザターゲットが内めから抜け出す結末になった。勝ち時計は2分29秒7と速い数字。レースの上がり3ハロンは【11秒6-11秒4-12秒0】の35秒0だった。
◆1着 ヒットザターゲット(11番人気・1番枠) 小牧太
ハンデは57キロ。最内1番枠からのスタートで、ヤネはテン乗りで小牧太だった。ゲートの出は五分で、すぐに抑えて自然とポジションが下がる。道中は中位のインで、適度な闘争心を見せて感触の良い追走ぶりだった。
後半のコーナーもじっくりとタメ、直線でレコンダイトの後ろに入る。小牧には余裕がある感じで、残り400mを過ぎて追い出しを開始した。200mの前で少し詰まるシーンがあったが、開くとグッと伸びる。最後はレコンダイトの内からしっかりと抜けて勝利をものにした。
着差は1馬身1/4。勝ち時計は前出の通り2分29秒7(良)と優秀な数字で、自身の上がりは34秒4だった。なお、レースの2400m通過は2分23秒7だった。ゴールした時に余力が残っていことは、大きく強調できる。
7歳になって4つ目の重賞タイトル。G2は5歳時の京都大賞典に続いて2つ目になる。昨年の秋には天皇賞で5着に駆けているし、まだまだ元気だ。今後、順調なら宝塚記念(6月28日)に使うことになるだろう。宝塚記念は昨年も走っていて、4着に健闘した。今年も侮れない存在になる。
◆2着 レコンダイト(4番人気・2番枠) M・デムーロ
ハンデは55キロ。内の2番枠からのスタートで、ヤネは同馬に乗って(1.1.0.0)のミルコ・デムーロだった。ゲートの出は五分。ミルコが馬の気持ちに任せ、スッと流れに乗っていった。道中は離れた6番手のインで、ヒットザターゲットと同様に軽く抱えつつの追走になった。
直線に向いて気合をつけにかかり、前にいたトラストワンをパスするのに外に動かす。しっかりと脚の伸ばし、残り100mの前でメイショウカドマツを交わして先頭に出た。しかし、もう苦しくなりなじめていて、そこをヒットに内から交わされた。
枠に恵まれたし、ミルコの腕もあったが、自身もかなり力をつけてきている。5歳になって完全に本格化した。なお、同馬の姉にはアパパネと同着でオークスを勝ったサンテミリオンがいる。今後がますます楽しみだ。
◆3着 ファタモルガーナ(1番人気・3番枠) 戸崎圭太
ハンデは56キロ。内の3番枠からのスタートで、ヤネは3戦連続の騎乗となる戸崎圭太だった。ゲートの出は上々で、戸崎が押して勢いをつける。ダッシュがつくと手綱を抑え、離れた5番手を進む形になった。外からプレッシャーを受けることはなかった。
道中はスムーズな走りで、3コーナーを過ぎて4コーナーに差しかかると戸崎の手が激しく動きだす。直線もモタモタする感じだったが、簡単にはバテない馬で、そこから脚を使った。少し外から渋太く詰め寄り、レコンダイトと半馬身差の3着に上がった。
今回は2月21日のダイヤモンドS以来で4ヵ月ぶりの実戦。いつもの休み明けに比べ、攻め量が少なかった勝負どころの反応が鈍かったのは、その分があるだろう。
ディープインパクト産駒にしてはめずらしい純粋なステイヤー。しかし、速い時計にもある程度は対応できる。7歳のセン馬だが、まだまだ活躍してくれそうだ。