レース回顧 マイラーズC

京都の外回り芝1600mで争われたG2競走。芝は開幕週でCコース使用になり、好時計になるレースが相次いだ。マイラーズCと舞台が一緒だった初日の準オープン(勝ち馬カバーストーリー)が1分32秒0で決着。当日の芝2400m(外)の3歳500万下(勝ち馬サンライズセンス)は2分24秒1という速い時計だった。

レースが始まってみなが抑えて何も行こうとせず、4番枠のサンライズメジャーが押し出されてハナに立つことになった。3ハロン通過は35秒3で、1000mは59秒4。これは馬場を考えると、かなりのスローである。

そして、後半の3ハロンは11秒1-10秒8-11秒3の33秒2と異常に速いラップなった。そんな競馬の中、好位の外を進んでいたレッドアリオンが鋭く差し切って勝利をつかんでいる。

◆1着 レッドアリオン(8番人気・15番枠) 川須栄彦
外の15番枠からのスタート、ヤネは前のレースのオープン勝ちに続いて川須栄彦。ゲート内でうるさくしていたが、何とか五分に出ることができた。川須が強めに押して出し、すぐに抑えて5番手の外の追走になった。

ハミを噛んで大変な状況にあることが多い同馬だが、今回に関しては抑えが利いて上々のリズムで走っていた。3コーナーを過ぎると少し上がって3番手につける。4コーナーに来ても手応えは十分で、万全の態勢で直線に向かうことができた。

追われてしっかりと反応して脚勢を強めるアリオン。逃げていたサンライズメジャーが簡単には止まらなかったが、切れる脚を使って追い詰め、最後でグッと交わして1着でゴール板を駆け抜けた。着差はクビで、勝ち時計は1分32秒6(良)。自身の上がりは32秒9だった。

5歳の春に初めて重賞タイトルを獲り、安田記念(6月7日)に向かう。今回はめずらしくキレイな競馬ができたし、課題の多かった精神面で成長してきたのかもしれない。GIの舞台でも楽しみだ。

◆2着 サンライズメジャー(5番人気・4番枠) 四位洋文
内めの4番枠からのスタート、ヤネは同馬に乗って2勝していた四位洋文。ゲートで少し頭を上げたが、行き脚がついてスーッと出ていき、ハナに立つことになった。四位は内を確認したりして行く気はなかった感じ。が、他が主張せずに結局はレースを先導することになった。

道中は軽く抱えるぐらいの手応え、うまく体力を残すことに成功した。コーナーをクリアし、直線で追われて後続を離しにかかる。残り100mで押し切りそうなムードだったが、最後は脚色が鈍ってアリオンに差し込まれた。

恵まれた競馬だったのは確かだが、自身は闘争心を見せてしっかりと走り切ったし、評価すべき2着である。鉄砲の利くタイプであっても、叩いた上積みを加えてくるだろう。安田記念でも軽視できない存在になりそうだ。

◆3着 フィエロ(1番人気・7番枠) 戸崎圭太
7番枠からのスタート、ヤネはテン乗りで戸崎圭太。ゲートの出は速くなく、そのまま抑えて中位の少し後ろの内めの追走になる。レースが流れなかった分で抑えつつの追走になったが、息は入っていた。

そのまま脚をタメ、直線は内を捌きにかかった。ヤネは捌き下手の戸崎。待つシーンがあってロスはあったが、まずまず捌けた方だろう。最後はラチ沿いを伸びたが、クビ+クビ差の3着に終わった。

自身の上がりは32秒5。競馬が合わなかったというだけで、非凡な瞬発力を備えていることはしっかりと示した。次は安田記念。昨年は劣悪な不良馬場に苦しんで8着だったが、良馬場ならチャンスがあるだろう。