阪神の外回り芝1800mで争われた3歳馬同士のGIII競走。2着に入って賞金を加算すれば、クラシックに進める可能性が出てくる。芝はAコース使用5週目。内めはさすがにボコボコしていたが、ここを攻めた馬が好走するケースが見られた。
先導役をつとめたのはテイエムクロタカで、これをミュゼエイリアンがマークする形でレースが進んだ。3ハロン通過は35秒9、1000mは60秒5で、平均より少し遅いといったところだろう。
後半の3ハロンは11秒3-11秒2-12秒2の34秒7。最後の1ハロンがかかる阪神らしい競馬になった。2番手を進んでいたミュゼエイリアンが早めに抜け出してハナ差で粘り込むという結末になった。
◆1着 ミュゼエイリアン(7番人気・9番枠) 川田将雅
9番枠からのスタート、ヤネはテン乗りで川田将雅。ゲートの出は五分で、気持ちが乗ってスーッと出ていく。内からテイエムクロタカがハナを主張し、2番手に収まった。もともとハミを噛むところがあり、川田が抑えて息を入れることに専念していた。
直線に向いてすぐに先頭に立つ形になり、川田は待たずにしごき出した。ラチ沿いに入って少し後ろを離して我慢強くゴールに向かう。最後は脚が上がってダノンリバティに一気にこられたが、ハナだけ残って勝利を手にした。勝ち時計は1分47秒2(良)で、自身の上がりは34秒6だった。
2月の共同通信杯では、道中でかなり行きたがりながら直線で見せ場をつくって4着に頑張っていた。西への輸送が課題ではあったが、今回のメンバーで噛み合えば勝ち負けできるだけの力があった。
このあとは状態を見つつ次にどこを使うか決定されるとのこと。血統面からスタミナは潜在させているはずで、気性の成長が進めばもっと上のステージでやれるようになるだろう。なお、黒岩陽一師(美浦)は、開業4年目での重賞初勝利となった。
◆2着 ダノンリバティ(3番人気・8番枠) 武豊
8番枠からのスタート、ヤネはテン乗りで武豊。ゲートをボコッと出たが、すぐに行き脚がついて前に行き、次にユタカが抑えて下げた。中位の後ろの馬群の中に入り、前半は力んでいて、中盤で落ち着いて走るようになった。
4コーナーは大外を回り、直線は最外を伸ばす形になった。少し頭が高くなって反応はひと息だったが、徐々にトモが入りが良くなってスピードを上げる。エイリアンが鈍ると一気に追い込んだが、ハナだけ届かず2着に終わった。
中間は栗東の坂路で熱心に乗り込み、同厩のミッキーアイルとアンビシャスを煽る動きを見せていた。まだ少し弱いところがあるが、祖母の仔にヴァーミリアンがいるという優秀な母系の出で、素質はかなりのものがある。今後の成長に期待したい。
◆3着 アンビシャス(1番人気・15番枠) 松山弘平
大外15番枠、ヤネは500万下を勝った時に手綱を取っていた松山弘平。ゲートが開いてポンと好スタートを切り、松山がすぐにタメにかかる。下がって中位の外の追走になったが、まともに行きたがって抑えるのに苦労していた。コーナーに入っても楽にならず、厳しい競馬になった。
直線は少し緩めてスーッと上がる形になり、内回りとの合流を過ぎて松山が追いに入る。グッとは反応せずに失速するのかなと思われたが、弾けないまでも辛抱強く頑張り、エイリアンが鈍った分で差を詰めてきた。しかし、賞金圏外の3着までだった。
共同通信杯も毎日杯も外枠からタメ切れない競馬になって3着。気性面に課題が残るものの、相当な力を持っているのは明らかである。同厩のダノンリバティと同様に今後が楽しみだ。