レース回顧 中日新聞杯

中京の芝2000mで争われたハンデ重賞。トップハンデは57.5キロ、最軽量は53キロで、上下差は4.5キロだった。芝は開幕週でAコース使用。ただ、当日は午前に雨が降り、良発表でも少し渋った馬場状態だった。

レースを引っ張ったのはマイネルミラノ。後続が厳しく突いてくることはなく、3ハロン36秒8、1000m61秒6というラップを刻んだ。これは馬場を考えると、平均より少し遅いといったペースだろう。

直線でミラノが踏ん張るところ、ディサイファが外からパワフルに伸びて交わし去って勝利を決めた。なお、レースの上がり3ハロンは11秒7-11秒6-12秒7の36秒0だった。

◆1着 ディサイファ(5番人気・1番枠) 四位洋文
ハンデは57キロ。最内1番枠からのスタートで、ヤネは同馬に入れ込んでいる四位洋文だった。ゲートの出は五分で、四位が押してダッシュをつける。流れに乗ると抑えにかかり、中位の少し前のインを進む形になった。

インといってもラチ沿いは開けていて、さらに囲まれて強いプレッシャーを受けることもなかった。ディサイファ自身は適度に気持ちが乗りながらも息が入り、感触の良い追走ぶりだった。向正面、後半のコーナーとスムーズな走りで、直線に向かう少し前から四位が気合を乗せはじめた。

直線は外をうかがいつつ追いを強めていき、残り300mで外に出して激しいアクションでしごく。シュッと加速するところはないが、しっかりと坂を駆け上がるディサイファ。登り切って残り200mの地点で、先頭を行くミラノとの差は2~3馬身ほどになっていた。

そこからもしっかりと脚を使い、内から伸びてきたデウスウルトとミラノをまとめて交わして1着でゴール板に飛び込んだ。着差は1馬身1/4差で、勝ち時計は2分01秒2(良)、自身の上がりは35秒3。中京らしくラスト1ハロンはかかっていたが、余力が残っているように見えた。

5歳の春にエプソムCで重賞初勝利を決め、6歳になって2戦目に重賞2勝目を挙げた。切れる感じがないので地味ではあるが、確かな底力を持っている。今年の目標は秋のGIに置いているとのこと。次走は決まっていないが、連覇を狙ってエプソムC(6月14日)を使うことになりそうだ。

◆2着 デウスウルト(2番人気・10番枠) 川田将雅
ハンデは55キロ。10番枠からのスタートで、ヤネは3戦連続の騎乗となる川田将雅だった。ゲートの出は五分で、行き脚も上々。川田が抑えながらで自然と流れに乗り、同時に内へと寄せていった。道中はディサイファの前で馬群の中を進む形になり、軽く抱えつつの手応えだった。

向正面、後半のコーナーと慎重にタメていき、直線に向かう少し前から手を動かしていく。直線の坂の部分では頭が高くなっていたが、腕力のある川田が懸命に押し、デウスウルトも脚を使った。外からディサイファに力強く交わされたが、渋太く伸びて2着に上がった。

これで3戦連続で重賞で馬券に絡んだことになる。中山金杯(3着)以来でビシッとは仕上げていない感じがあったのだが、それでも結果を出した。道中で力んでしまう面は軽度になっているし、7歳(セン馬)ながら確実に成長している。次は大阪杯(4月5日)になる模様。今なら別定のGIIでもやれるかもしれない。

◆3着 マイネルミラノ(6番人気・4番枠) 柴田大知
ハンデは55キロ。4番枠からのスタートで、ヤネは同馬に乗って4勝している柴田大知だった。ゲートの出は上々で、すぐに行き脚がついて無理することなくハナに行く。道中は突かれずに丁寧に息を入れられるぐらいで、理想的な逃げを打つことができた。

後半のコーナーも楽な感じで、直線に向いて大知はいっぺんには脚を使わせない。徐々にハミがかりを強くし、残り200mの前でムチを入れた。リードを守って押し切るかというシーンをつくったが、残り150mのあたりから少しスピードが落ち、ディサイファとデウスウルトに交わされて3着に落ちた。

55キロで自分の競馬ができたといえ、タフな中京コースで渋った馬場の中をよく頑張った。精神面で若いところがあるが、5歳になって落ち着いてくるだろう。スピードと持久力を兼備しており、今後も重賞戦線で怖い存在になる。

◆7着 ダノンジェラート(1番人気・5番枠) 横山典弘
ハンデは55キロ。5番枠からのスタートで、ヤネは同馬に乗って(1.1.2.0)という成績を残していた横山典弘だった。ゲートの出はまずまずで、ノリが少し押して流れに乗せる。道中は中位馬群の追走で、左前にディサイファがいた。

追走ぶりはスムーズで、4コーナーに来てもいい格好をしていた。直線の立ち上がりから外に動かしていき、直線は広いところを追うことができた。しかし、坂が応えたか蹴りが弱い感じで推進力がなく、見せ場をつくれずに7着に終わった。

押し出されたものといえ、準オープンを勝ったばかりで1番人気に推されていた。確かに素質は高いのだが、もともと体質が弱く、中2週で府中→中京というローテーションをとったことで疲れが残っていたものと思われれる。早6歳になったが、丁寧に使っていって活躍してもらいたいものだ。