新潟の外回り芝2000mで争われたG3競走。ハンデ戦になり、上下差は3キロと大きくなかった。芝はBコース2週目。前日に降った雨の影響が少し残っていて、馬場の中ほどを通った馬がよく伸びる感じだった。
徹底先行馬が不在という顔ぶれで、ゲートが開いて序盤はみなが行こうとしない。内の2番枠からクランモンタナが押し出されてハナに立ち、最初の200mは13秒1という遅い入りになった。
2ハロン行くと外からアーデントが交わし、これが後ろを少し離す。それでも、3ハロン通過は37秒2、1000mが61秒5で、ずっとスローで流れることになった。
残り800mからラップが上がり、後半の4ハロンは11秒8-11秒5-10秒9-11秒5となった。勝ったのはハンデ57キロのダコール。重賞で多くの好走歴がありながら1着がなかったが、7歳の春にようやくタイトルを手にした。
◆1着 ダコール(5番人気・6番枠) 小牧太
トップハンデタイの57キロ。6番枠からのスタートで、ヤネはテン乗りで小牧太だった。ゲートが開いてしっかりと五分以上に出、無理に出したわけではなくジワッと流れに乗る。好位の後ろの内めを進み、ラチ沿いは避けていた。折り合いがつき、理想的な形で脚をタメることができた。
コーナーもスムーズで、直線はみなが外に動いて馬群の後ろでやはりじっくりと待つ。周りは仕掛けていたが、小牧の手はまったく動かぬまま。緩めれば弾けそうなムードで、残り300mに来てようやく追いに入った。
ダコールはしっかりと反応してギアを上げ、内めの馬群を割りにかかる。新潟の外回りでバラけていたので捌きに大きく手間取ることはなく、200mを過ぎて先頭に立っていたナカヤマナイトを内から抜いた。
そして、最後まで脚を使い、危なげなく1馬身1/4差の1着でゴール板に到達した。勝ち時計はスローの分で1分59秒6(良)と遅い数字。代わりに自身の上がりが32秒9と特別に速くなった。
昨年の秋にオープン特別を勝ったことで、57キロのハンデを課せられるようになっていた。それでも重賞初制覇を果たした。前のレースの福島民報杯では別定の58キロで2着したし、7歳になって地力を底上げしている。今後も活躍してくれそうだ。
◆2着 ナカヤマナイト(13番人気・4番枠) オールプレス
ダコールと同じでハンデは57キロ。4番枠からのスタートで、ヤネはニュージーランドで活躍している女性ジョッキーのリサ・オールプレスだった。
ゲートの出は上々で、オールプレスが手を押して出していく。好位に上がったが、押したこととペースが緩んだことで行きたがってしまった。抑えて引いて下げる形になり、中盤に来ても少し力んで走っていた。
直線は外めに出て脚を使う形になった。残り300mで先頭に立ち、一頭になった分があったか外を向いて少しモタれている。それでも渋太く脚を使い、内からダコールに抜かれながらも頑張りを見せて2着で入線した。
重賞を3勝している7歳馬。3歳時にはダービーで4着に健闘した。最近は押しを欠く競馬が多かったが、この中間はウッドで楽に64秒台を出すなど迫力ある攻めを見せていて、それが実戦に結びついた。全体の時計が少しかかる競馬になれば、まだまだやれるということだろう。
◆3着 アルフレード(6番人気・5番枠) 津村明秀
ハンデは56キロ。5番枠からのスタートで、ヤネはテン乗りで津村明秀だった。ゲートの出はあまり速くなく、出す気もなくて抑えていく。後方のインでじっくりと脚をタメる競馬になった。
コーナーもじっくりと構え、直線に向いて内めで追い出しを待つ。津村は時にハミをかける手の動かした方をしていて、残り250mのあたりから強く追い出した。内めからしっかりと脚を使ったが、外のダコールとナカヤマナイトも伸びが良く、最後は周りと同じような脚になって3着に終わった。
自身の上がりはメンバー中で最速となる32秒7。特殊な競馬だったので決めつけられないところはあるが、2000mの距離にも対応していくことができそうだ。2歳時に朝日杯フューチュリティSを勝っているGI馬。6歳になって勢いを取り戻している。
◆13着 デウスウルト(1番人気・3番枠) 川田将雅
ハンデは55キロ。内の3番枠からのスタートで、ヤネは主戦の川田将雅だった。ゲートの出は五分で、行き脚もついてスーッと流れに乗る。3番手につけ、3コーナーで2番手に上がった。抑えつつの手応えだったが、息が入っていないことはない感じだった。
直線に向いて川田が気合を入れにかかったが、デウスの方は頭を上げて集中していない。重心が下がらず、尻尾も振っていた。少し抵抗していたものの、徐々に下がって馬群に飲まれる。最終的に13着に落ちた。
栗東の坂路では51秒4の好時計でしっかりと動いていたし、デキの問題ではないと思う。もともと気の悪いところがあり、スローの展開でリズムが狂ったのかもしれない。最近は馬群の中で行きたがるのを抑えて進むという競馬が多く、確かにいつもと形が違った。次は陣営も騎手も作戦を考えてくるだろう。