レース展望 宝塚記念

宝塚記念(GI・阪神芝2200m(内))は上半期をしめくくるグランプリレース。出走馬はファン投票によって選ばれる。フルゲートは18頭で、ファン投票の上位10頭が優先的に出走でき、残りは収得賞金額などを加味して決定される。歴史が始まったのは1960年(昭和35年)。当時は関東に比べて大きく人気で劣っていた関西の競馬を活性化させるため、年末に中山で行われる有馬記念と対になる競走としてつくられた。有馬記念と同様にファン投票で出走馬を選出することが前提条件だったという。第1回は阪神競馬場の芝1800mで施行され、負担重量は定量だった。61年に芝2000mに変わり、63年に別定戦になる。そして67年に芝2200mになって、68年には負担重量が馬齢になった。72年にはふたたび定量に戻っている。グレード制が敷かれた84年にGIに格付けされ、97年になると国際競走に指定されて、01年に国際GI競走になった。
初代覇者はホマレーヒロ。65年にシンザンが制し、以降、ハイセイコー、トウショウボーイ、タマモクロス、イナリワン、メジロパーマー、メジロマックイーン、ビワハヤヒデ、マヤノトップガン、サイレンススズカ、グラスワンダー、テイエムオペラオー、ディープインパクトといったそうそうたるメンバーが勝ってきている。牝馬で制したのはエイトクラウン(66年)とスイープトウショウ(05年)の2頭。前8年の勝ち馬はアドマイヤムーン、エイシンデピュティ、ドリームジャーニー、ナカヤマフェスタ、アーネストリー、オルフェーヴルで、ゴールドシップ(13年、14年と連覇)で、11年のアーネストリーの勝ち時計2分10秒1がレースレコード、およびコースレコードになっている。
第56回の今年は17頭が登録して16頭立てになった。ファン投票順では、史上初の同一GI3連覇を狙う1位のゴールドシップ、3位のラキシス、7位のトーホウジャッカル、8位のワンアンドオンリー、11位のデニムアンドルビー、12位のヌーヴォレコルト、15位のカレンミロティック、18位のショウナンパンドラ、27位のラブリーデイ、28位トーセンスターダムの上位10頭が出走。他にアドマイヤスピカ、オーシャンブルー、ディアデラマドレ、トウシンモンステラ、ネオブラックダイヤ、レッドアルヴィスが参戦し、これで全16頭となる。梅雨時ということで馬場が悪くなるケースが多い宝塚記念。良馬場のもとでの最強馬決定戦になることを願う。