優駿牝馬(GI・東京芝2400m)は3歳牝馬クラシックの第二弾。イギリスのオークスステークスを範としてつくられた競走で、「オークス」と呼ばれることがほとんどである。65年からオークスが副称としてつけられるようになった。第1回が行われたのは戦前の1938年(昭和13年)と古く、当初は阪神優駿牝馬という名称で、鳴尾競馬場の土2700mという条件だった(土コースは現在のダートとは異なる馬場)。芝2400mになったのは43年のことで、このときの施行場所は京都競馬場。46年に東京競馬場に移り、この年に名称が優駿牝馬になった。
第1回の覇者はアステリモア。飛んで86年の勝ち馬メジロラモーヌは史上初の牝馬三冠馬になり、03年のスティルインラブが2頭目の牝馬三冠馬になった。93年にベガ、95年にダンスパートナー、96年にエアグルーヴ、04年にダイワエルシエーロ、05年にシーザリオ、06年にカワカミプリンセスが戴冠している。07年の勝ち馬はローブデコルテで、これはJRA史上初となる外国産馬によるクラシック制覇だった。09年はブエナビスタが強烈な末脚で差し切り、10年はアパパネとサンテミリオンがGI史上初となる1着同着で優勝を分け合っている。11年はエリンコートが差し切って戴冠。12年はジェンティルドンナが2分23秒6のレースレコードで圧勝し、13年はメンショウマンボが、14年はヌーヴォレコルトが勝利を手にしている。
第76回の今年は21頭が登録してフルゲートの18頭立てになった。桜花賞からは、勝ち馬のレッツゴードンキに、2着のクルミナル、3着のコンテッサトゥーレ、4着のクイーンズリング、1番人気で9着だったルージュバック以下、注目された勢力が多く出走。他にも、フローラS勝ちのシングウィズジョイ、同レース2着のディアマイダーリン、同3着のマキシマムドパリ、忘れな草賞勝ちのミッキークイーンなど、素質馬がそろっている。18頭の中で芝2400mを走った経験があるのは1頭だけ。やはり距離への対応が大きなポイントになる。長い直線をいっぱいに使った若い牝馬たちの切れ味比べ、底力比べに注目したい。