天皇賞(春)(GI・京都芝3200m(外))は春の長距離王決定戦。1905年(明治38年)に始まった帝室御賞典が前身で、日本競馬会が創設された37年が第1回の帝室御賞典になり、この年から年2回施行されることになった。37年の秋は2600m、38年の春は2700mで、38年の秋から3200mになって、以降は2回とも長くこの距離で行われていた。帝室御賞典が天皇賞という競走名になったのは47年の秋から。秋の大会が2000mになったのは84年のことになる。なお、春の大会は57年から国民の祝日だった「天皇誕生日」である4月29日に行われ、これは89年まで続いた。
秋の施行だった第1回の覇者はハツピーマイトで、春の施行の第2回の覇者はハセパーク。70年代以降の春の勝ち馬には、テンポイント、グリーングラス、モンテプリンス、アンバーシャダイ、シンボリルドルフ、ミホシンザン、タマモクロス、イナリワン、スーパークリーク、メジロマックイーン、ライスシャワー、ビワハヤヒデ、マヤノトップガン、スペシャルウィーク、テイエムオペラオー、ディープインパクト、メイショウサムソンと、歴史に残る名馬の名前が並ぶ。前7年の勝ち馬は、アドマイヤジュピタ、マイネルキッツ、ジャガーメイル、ヒルノダムール、ビートブラック、フェノーメノ(13年、14年と連覇)。
春秋通算で第151回となる今年は18頭が登録してフルゲートの18頭立てになった。完全復活を期すダービー馬キズナ、京都は不安定でもGIを5勝した底力があるゴールドシップ、日経新春杯と日経賞を連勝したアドマイヤデウス、昨年の菊花賞2着馬サウンズオブアースが主力になり、他にもウインバリアシオン、デニムアンドルビー、ラストインパクト、フェイムゲーム、ホッコーブレーヴなど、スタミナ自慢の実力者がそろっている。淀の坂を2度越える長距離決戦は、激しくて見応えあるものになりそうだ。