レース展望 中山グランドJ

中山グランドジャンプ(J・GI、中山芝4250m)は障害界の大レース。かつて中山大障害(春)として行われていた競走で、障害にグレード制が導入された99年に名称が変わった(正式名称は農林水産省賞典中山グランドジャンプ)。翌00年に初の障害の国際招待競走になり、01年に施行距離がそれまでの4100mから4250mに延びている(本年はCコース使用のため4260mで施行)。中山競馬場の大障害コースを使うのは、本競走と暮れに行われる中山大障害の2つだけ。大竹柵、大いけ垣と呼ばれる通常より大きな障害が置かれ、また、深い谷を下ってすぐに登るバンケットといわれる障壁もある。とにかくタフなコースだ。大竹柵、大土塁の飛越時、そしてゴール時には場内から拍手がわき起こる。
試行回数のカウントは99年から始まっている。第1回の覇者はメジロファラオ。第2回、第3回と日本のゴーカイが連覇し、第4回はオーストラリアのセントスティーヴン、第5回は日本のビッグテースト、第6回は日本のブランディスが勝った。05年から07年まではオーストラリアのセン馬カラジが3連覇を決める。この3連覇は10歳から12歳の3年間で達成したもので、12歳での障害競走勝利はJRA記録になっている。08年は日本のマルカラスカルが大差で圧勝し、09年はスプリングゲント(日本)、10年はメルシーモンサン(日本)が勝利を収めた。11年は4月16日に行われる予定だったものが、3月11日に発生した東日本大震災の影響で2ヵ月以上延びて7月2日に施行された。さらに、Cコース使用のため、例年より10m長い4260mで争われている。勝ったのはマイネルネオス(日本)だった。12年はマジェスティバイオ(日本)が戴冠。13年はアイルランドのブラックステアマウンテンが、14年はアポロマーベリック(日本)が勝利を手にしている。
第17回の今年は15頭が登録して15頭立てになった。昨年の勝ち馬アポロマーベリック、昨年の中山大障害をアポロマーベリックを破って戴冠したレッドキングダム、その中山大障害の3着馬サンレイデューク、オープンと重賞で上位争いを続けているソンブレロが主力になり、他にもアップトゥデイト、シャイニーブラック、リキアイクロフネなど、力のあるジャンパーがそろっている。年に2度しか見られない大障害コースでの戦いは見応えあるものになるだろう。