ニュージーランドトロフィー(GII・中山芝1600m)は中山競馬場で行われるNHKマイルカップにつながる3歳馬同士のマイル重賞。ニュージーランドの競馬団体「ベイオブプレンティレーシングクラブ」から優勝杯を寄贈されており、前身となるオープン競走のベイオブプレンティレーシングクラブ賞グリーンステークスが1983年(昭和58年)になってニュージーランドトロフィー4歳ステークスという名称の重賞に変わった。翌84年にGIIIに格付けされ、87年になってGIIに格上げになっている。しばらくは開催時期が5月の終わりか6月で、施行条件が東京芝1600mと、ちょうど今のNHKマイルカップのような競走だった。96年になるとGIのNHKマイルカップが新設され、施行時期が4月に移って東京芝1400mでの施行になる。このタイミングでNHKマイルカップのトライアルに指定された。上位3着までに優先出走権が与えられる。00年になるとNHKマイルカップの施行が早まり、同時に本競走の施行時期も早くなって舞台が中山芝1600mに変わった。この00年に競走名が現行のニュージーランドトロフィーに変わっている。なお、本競走は牡馬と牝馬の限定戦で、セン馬は出走することができない。
第1回の覇者はアップセッター。86年にニッポーテイオーが勝ち、88年にはオグリキャップ、92年にはシンコウラブリイが制している。以降もヒシアマゾン、ファビラスラフイン、シーキングザパール、エルコンドルパサー、エイシンプレストン、シーキングザダイヤと、勝ち馬には豪華な名前が並ぶ。東日本大震災の影響で阪神競馬場の芝1600mでの施行になった11年はエイシンオスマンが戴冠した。12年はカレンブラックヒルが勝ち、同馬は次走でNHKマイルカップを制覇している。前2年の勝ち馬は、エーシントップ、ショウナンアチーヴ。
第33回の今年は22頭が登録してフルゲートの16頭立てになった。朝日杯フューチュリティS2着、アーリントンC2着のアルマワイオリ、アーリントンC勝ちのヤングマンパワー、同レース3着のマテンロウハピネス、ファルコンS2着のアクティブミノル、同レース3着のヤマカツエース、朝日杯フューチュリティS4着のネオルミエール、未勝利→500万下を強い競馬で連勝したグランシルク、ジュニアC勝ちのナイトフォックスなど、素質ある若駒がそろっている。トリッキーな中山の芝1600mで争われるマイルの激闘に注目したい。