レース展望 中日新聞杯

中日新聞杯(GIII・中京芝2000m)は中京競馬場で行われる古馬の中距離重賞。創設されたのは1965年(昭和40年)のことになり、初年度は中日盃という競走名で、施行時期が春、施行条件が砂1800m(現在のダートとは異なる)で、負担重量はハンデキャップだった。2年目の66年に現行の競走名に変わり、負担重量が別定になっている。その後、条件には変遷があり、00年になると12月の施行になって、06年から芝2000mのハンデキャップ競走になった。10年と11年は中京競馬場が大規模な改修工事が行われたため小倉競馬場の芝2000mで施行され、12年の本競走は3月3日の新装中京競馬場デビュー日に置かれることになった。新しい中京競馬場は、3~4コーナー部分が外側に拡張されて直線距離が412.5mに伸び、直線走路には勾配2.0%の急坂が造られている。なお、本競走は81年から愛知杯、カブトヤマ記念と並んで長く父内国産馬限定の重賞としておこなわれてきた。04年に愛知杯は牝馬限定の重賞に変わり、同04年にカブトヤマ記念は廃止になって、本競走が唯一の父内国産限定の重賞として残っていた。しかし、本競走は08年から混合競走に変更になっている。これで父内国産限定の重賞は中央競馬から姿を消すこととなった。
第1回の覇者はバリモスニセイ。GIシーズンに置かれている裏開催の重賞とあってレベルが低くなるケースが多いが、09年には翌年に宝塚記念をレコード勝ちするアーネストリーが制し、小倉で争われた10年には実力馬トゥザグローリーが戴冠している。10年と同じく小倉での施行だった11年はコスモファントムが勝ち、12年はスマートギアが制覇。13年はサトノアポロが、14年はマーティンボロが勝っている。
第51回の今年は18頭が登録してフルゲートの18頭立てになった。トップハンデとなる57.5キロを背負うのは、昨秋に福島記念を勝ち、年が明けてアメリカJCCを2着したミトラと、京都大賞典勝ちの実績があるヒットザターゲットの2頭。続いて57キロがエプソムC勝ちがあるディサイファに、セントライト記念勝ちと新潟大賞典勝ちがあるユールシンギングとなっている。56キロ以下にもパッションダンス(56キロ)、アドマイヤフライト(56キロ)、サンレイレーザー(56キロ)、デウスウルト(55キロ)、キングズオブザサン(55キロ)、マイネルミラノ(55キロ)、ネオブラックダイヤ(54キロ)、サングレアル(53キロ)など実力馬が多くいて、直線に急坂がそびえる中京で争われるハンデ重賞は激しい戦いになりそうだ。