阪急杯(GIII・阪神芝1400m)は高松宮記念の前哨戦になる古馬の短距離重賞。当競走の前身が1955年に創設された阪神記念で、57年になると宝塚杯(芝2200mのハンデキャップ競走)と名称が変わって試行回数のカウントが始まった。阪急電鉄から優勝杯を受けるようになった60年から現在のレース名になっている。その60年に芝1800mでの施行になって、その後、1600m→1400m→1200mと距離が短くなっていき、97年から高松宮記念のステップレースの役割を果たすようになった。そして、06年から逆に距離が延びて1400mでの施行になっている。なお、1着馬には高松宮記念の優先出走権が与えられる。
第1回の覇者はタカクラオー。97年以降の勝ち馬には、マサラッキ、キョウエイマーチ、ブラックホーク、ダイタクヤマト、アドマイヤコジーン、ショウナンカンプ、サニングデールと、短距離の名馬の名前が並ぶ。芝1400mになった06年はブルーショットガンが勝ち、07年はプリサイスマシーンとエイシンドーバーが同着で勝利を分け合った。前7年の勝ち馬は、ローレルゲレイロ(翌年に高松宮記念とスプリンターズSを制覇)、ビービーガルダン、エーシンフォワード(同年の秋にマイルチャンピオンシップを制覇)、サンカルロ、マジンプロスパー、ロードカナロア(スプリンターズS、香港スプリント、高松宮記念、香港スプリント、安田記念)、コパノリチャード(次走で高松宮記念を制覇)となっている。
第59回の今年は33頭が登録して16頭立てになった。昨春に高松宮記念を勝ったコパノリチャード、昨秋にマイルチャンピオンシップを勝ったダノンシャーク、昨春にNHKマイルCを勝ったミッキーアイル、2歳時に阪神ジュベナイルFを勝っているローブティサージュとGI馬が4頭。他にもダイワマッジョーレ、レッドオーヴァル、マジンプロスパー、オリービンなど、実力者がそろっている。開幕週の阪神で争われる短距離重賞は見応えあるバトルになりそうだ。